見まごう邪馬台国

◇地名の接尾語

 >(2)2つと同義で、位置や地勢により、村、坪、田、地、基、原、亭、站、岱、津、谷、浦、城、島等を用いる。

 金沢庄三郎氏も、上記の地名語尾は「使い分けがあった~」としますので、人が群がり、住む所と云う基礎的な共通項だけで括られます。そこで漢字の語義を順に見ていくと、以下の如くなります

  「村」=邨(そん)に通じる。屯=集合した軍隊と、その場所、仲間や或る職業の者が屯する場所
  「坪」=平地、区画された土地→条理の邑で農民→評・郡(こほり/むらがる)・壺に通ず
  「田」=区画された耕作地と、そこに通じる道→農耕民の集落(農村)
  「地」=うねうねと続く大地→畑作と牧畜する人々の集落か
  「基」=土台となるべく積土→部族長や領主の城郭や城壁の在る集落
  「原」=平らで広く、多く草が生えた土地、特に耕作しない平地、野原・原野→牧畜民の集落
  「亭」=阿舎・屋敷・住居→部族長や領主の館がある集落
  「站」=宿駅→馬子や荷役の人夫が住む集落
  「岱」=泰山の別名、山→牧畜民や狩猟民の小さな家族単位
  「津」=川の湊、対岸に渡る所→川民や沿岸航海民家船)と荷役人夫の集落
  「谷」=水の湧く、山と山の間(峡谷)→水守の集落?
  「浦」=海や湖の陸地に入り込んだ所→漁労民の集落
  「城」=土を盛り、敵を防ぐ→部族長や領主の城郭や城壁のある集落
  「島」=海中や水中から突出している所→海民の集落

 以上と、その字音とを考え併せながら、近い語義を持つもので括り、整理すると以下の如くなります。

  村[ts`uәn][ts`uәn][ts`uәn]=軍隊が駐屯するか、鍛冶職人等、同業の人々が集住する地域。
  坪[bıăŋ][bıʌŋ][p`iәŋ]=揚子江中流域の小さな平地→区画整理された耕作地を持つ地域。
  田[den][den][t`ien]=平にして区画整理された耕作地を持つ地域。

 上記の前者「村」は、区画された耕作地の有無は定かではありません。後者の二つは、平野部の条里制を持つ「里」と殆ど同義で、租税を徴収するための官吏や守衛の武官が常駐していました。 

  基[kıәg][kıei][ki]=土台をもつ建物が有り、周囲に城柵を設けておらず、周辺部の治安は確保される。
  亭[deŋ][deŋ][t`iәŋ]=物見櫓を持つ建物が有り、周辺部の治安は万全に確保されてない。
  城[dhieŋ][zıєŋ][tʃ`ıєŋ]=周囲に城柵を設けた建物が有り、最前線で近隣は対立する勢力圏内になる。

 上記は城下町で、前者「基」には官吏や武官の役所、後者の二つには軍隊が常駐。周辺には商家が並び、人々が集まり市が立つ。ただ、区画された耕作地の有無は定かではありません。

  地[dieg][tii][ti]=区画されていない耕作地と牧畜を営む人々が定住する地域。
  原[ŋıuăn][ŋıuʌn][iuen]=区画されていない草原等で、ゲル(天幕)で移動しながら遊牧する人々が暮らす地域。
  岱[dәg][dәi][tai]=区画されていない山腹等で、幾つかの拠点を移動しながら狩猟と採集を営む人々の地域

 上記は、区画された耕作地を持たない人々の地域だが、庸や調等、賦役は課された思われます。

  津[tsien][tsiĕn][tsiәn]=河川航行に拠る荷役や渡しに従事する河民の拠点。
  浦[p`ag][p`o][p`u]=漁猟と沿岸航海に従事する漁民の拠点。
  島[tog][tau][tau]=外洋や沿岸航海に従事する海民の拠点。

 上記は、河岸や海岸、海上に立地する地域で、庸や調や、荷役等の賦役を課されたと思われる。

  站[tăm][tʌm][tşam]=兵站(へいたん)等と使われるので、馬子や荷役人夫、宿屋や商家、鍛冶等の職人等が住む集落。
  谷[kuk][kuk][ku]=河川や湧水や泉のある峡谷とすれば、官吏や武官が駐屯する「村」「基」「亭」「城」等の水源を守る人々が住む地域か。

 上記は、集落の状況や状態に拠る生業に違いがある。何れも区画された耕作地は無いが、庸や調を課された。  以下次回。

区画整理された耕作地=豊臣秀吉も行ったとされる検地の如く、面積から収量を計算し、租税を徴収するための田畑。

庸や調=租庸調は、唐の均田法下の税制。土地を給与された丁男(ていだん/21~59歳)に対して課した現物税。租は粟2石、旧、年20日間の力役が1日につき絹3尺に換算されたもの、調(「徴」と通ずる)は土産の絹2丈と綿(まわた)3両、または麻布2.5丈と麻3斤。後、両税法がこれに代わった。日本でも大化改新以降に同様のものを制定。
 庸(ちからしろ)=律令制の現物納租税の一種。大化改新では仕丁(しちょう)・采女(うねめ)の衣食用として1戸につき布1丈2尺・米5斗。大宝律令制定後は、唐の制度にならって毎年10日間の歳役(さいえき)の代納物とし、成年男子一人につき布2丈6尺、または米6斗。奈良・平安時代を通じては、布1丈4尺、または米3斗が一般。
 調(みつぎ)=律令制の現物納租税の一種。孝徳朝の大化改新では田の面積に応ずる田調と戸毎の戸調とがあった。7世紀末から唐の制度にならって成年男子の人頭税とし、繊維製品・海産物・鉱産物等、土地の産物を徴収した。分量は麻布・栲布(たえのぬの)の場合、一人当り2丈8尺。他に調副物(ちょうのそわりつもの)という付加税もある。




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  1. 2016/10/25(火) 22:01:48|
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