見まごう邪馬台国

◇転生  *更新しました(2/20)

 「垂仁記」佐波遅比賣(沙本毘賣)命の系統に婿し、品牟都和気命を儲けた伊久米伊理毘古伊佐知命(垂仁)は、服従せず、謀反を起こした皇后の沙本毘古命と共に、沙本毘賣命が稲城で焼け死に、旦波比古多多須美知宇斯王(開化天皇の御子)の四姉妹を娶る。

 「古事記」氷羽州比賣命を娶り、印色入日子命・大帯日子淤斯呂別命(景行)・大中津日子命・倭比賣命・若木日子命を生む。沼羽田毘賣命を娶り、沼帯別(ぬたらしわけ)命・伊賀帯日子命を生む。阿邪美能伊理毘賣を娶り、伊許婆夜和気(いこばやわけ)命・阿邪美都(あざみつ)比賣命を生む。円野(まとの)比賣命(子女無し)。
 その比婆須比賣(兄比賣)命と弟比賣命を留め、残りの二人は醜いので、阿邪美能伊理毘賣は出産後に返されたのか、歌凝(かごり)比賣命と名を変え、伊許婆夜和気命・阿邪美都比賣命を養う。もう一人の円野比賣命は恥じて山代国之相楽にて木の枝に下がり死のうとした。その地を懸木、今は相楽(さがらか)と云う。(おと)国に到りし時、遂に深い淵に落ちて死んだ。その地を堕(おち)国、今は弟国(京都府乙訓郡)と云う。

 詳細は省くが、「記」御子等は佐波遅比賣と旦波道主王系統を併せたもの(耳成)で、返された二柱は沙本毘古命と沙本毘賣命に化体され、弟国の円野比賣命は、倭比賣命(景行天皇の妹)→小碓命→倭建(倭男具那)命に転生し、仲哀天皇(帯中津日子)に繋ぐ。
 一方、氷羽州比賣命「紀」日葉酢媛→比婆須比賣命(大中姫)→景行→兄大碓命(伊賀帯日子)と転生させ、成務(若帯日子)に繋ぐ。 

 「日本書紀」日葉酢媛を娶り、五十敷瓊入彦(いにしきにいりひこ)命・大足彦尊(景行)・大中姫命・倭姫命・稚城瓊入彦命を生む。渟葉田瓊入媛を娶り、鐸石別(ぬでしわけ)命・胆香足姫いかたらしひめ)命を生む。真砥野媛(子女無し)。薊瓊入媛を娶り、池速別(いけはやわけ)命・稚浅津(わかさつ)姫命を生む。竹野媛(子女無し)。
 子女のない三女真砥野媛(四女円野比賣)、出産後に返された四女薊瓊入媛(三女阿邪美能伊理毘賣→歌凝比賣)と順序を変え、恥じて輿から落ちて死ぬ竹野(たかの)媛を増やし、母系が併合(耳成)した後、誉津別命(胆香足姫)→大碓小碓(大中津日子命)→日本童男(をぐな)→日本武尊(稚足彦=成務)と転生させ、仲哀天皇(足仲彦)に繋ぐ。

 「記」母系制海神の娘、姉豊玉姫は婿の山幸彦の上(うはつ)国で、本の醜い姿(大蛇や鰐)で出産した事を恥じ、御子葺不合を残し、帰国、代わりに妹玉依姫を乳母として遣った如く、養父沙本毘古の下、唖の品牟都和気命は継母沙本毘賣に養われ、娶った妻沙本毘賣命→出雲の肥長比賣命が蛇(をろち)と知り、畏みて逃げると、兄系本牟智和気命として分離独立する。
 「紀」乳母の真砥野媛に養育され、大鳥を見て口の利けるようになった誉津別尊は、名を変えた薊瓊媛を娶り、池速別命・稚浅津姫命を生す。

 例えば、母系(姉と妹)が併合(耳成)した後、竹野媛が弟系統(日本武尊→葺不合)に転生、継母(姨)を娶り、狭野尊(神武)を生す。平安期、母系(天照皇祖神)の男子(兄系光仁天皇)と父系女子(高野新笠)の子、山部王(弟桓武天皇)が姉系藤原乙牟漏を皇后として即位、余計な兄系を蝦夷「鬼(オニ→あに)」として、言葉の通じない東国へ追い払う。
 鎌倉~南北朝を経て、妹玉依姫の生んだ西国の熊曽(「紀」熊襲)、弟若御毛沼命(神武)の東遷後、東国の蝦夷、長髄彦→阿日彦(兄海幸彦)の山神が麓の娘に生ませた女子とし、三輪山の大物主神を祭祀する崇神天皇に繋ぐ。

伊久米伊理毘古伊佐知命=通常、「記」イクメイリヒコ・イサチと訓むが、上古音で、「ィアケゥマゥ・ィアラェビェゥカッ・ィアッサチェ→ヤクモ・ヤリビカォ・ヤサチ」とすれば、「伊理=遣(やり)」となり、「入」と書き分ける理由が判る。おそらく、垂仁天皇(山幸彦)は、婿入り後、母系を別け、前妻の佐波遅比賣命を妹沙本毘賣命として追い遣り、新たに嫁を娶り、男子の系統(天孫)をも別けた天皇と考えられる。*依=余里

開化天皇=若倭根子日子大毘毘命、旦波之大県主名は由碁理の娘、竹野比売を娶り、比古由牟須美命を生む。庶母伊迦賀色許売命を娶り、御真木入日子印恵命(崇神)、御真津比賣命を生む。丸邇臣祖日子国意祁都命妹、意祁都比売命を娶り、日子坐王を生む。葛城之垂見宿禰の娘、鷲比賣を娶り、建豊波豆羅和気を生む。
 日子坐王、近淡海之御上祝が祭祀する天之御影神の娘、息長水依比賣を娶り、丹波比古多多須美知能宇斯王、水穂之真若王、神大根王(八瓜入日子王)、水穂五百依比賣、御井津比賣を生む。その母の袁祁都(をけつ)比売命(姨)を娶り、山代之大筒木真若王(妻丹波阿治佐波毘賣)、比古意須王、伊理泥王を生む。合わせて十一王。

氷羽州比賣=比婆須比賣命(兄比賣)と表記が変わり、島根県境の広島県比婆郡(現庄原市)比和町に在る「イザナミ」の墓と伝承される比婆山と関連、死後、黄泉国へ行ったイザナミが、「記」(生母)氷羽州比賣命「紀」日葉酢媛→比婆須比賣命(巫女の卑彌呼系)として転生する。その後、上国は弟山幸彦と、乳母玉依姫(後妻)→妻玉依姫+葺不合命の二系に分裂する。中国山地には、幾つかの天石戸(磐戸)別神社がある。

阿邪美能伊理毘賣=兄比賣と弟比賣(沼羽田入毘賣?)命を残し、二柱を返す。ただ、円野比賣には子の記載は無いが、阿邪美能伊理毘賣命は「伊理」とあり、出産後、返されり(遣られる)。詰まり、垂仁皇后の佐波遅比賣→沙本毘賣と同様、本来の歌凝比賣命に戻ったと考える。
 尚、「開化記」日子坐王の子、美知能宇志王丹波之河上之麻須郎女を娶り生む子、比婆須比賣命、真砥野(まとの)比賣命、弟比賣命、朝庭別(みかどわけ)王四柱。「垂仁記」と姉妹の順、その名称にも違いが在る。 詳細は省くが、他の御子も、夫々に化体されると思う。

耳成(みみなし)=大和三山の耳梨山に関係し、神遣らいされた速須佐之男命が大気津比賣神に食物(をしつもの)を求めると、大気都比賣は鼻や口、尻から様々な食物を取り出し、調理する。その行動を立ち窺い、穢して献上したと思い、大宜津比賣神を殺す。神の頭に蠶(かひこ)生り、二つの目に稲種(母実)生り、二つの耳に粟(あは)生り、鼻に小豆(あずき)生り、陰部に麥(むぎ)が生り、尻に大豆(まめ)生り。
 「紀」(月読尊に殺される)是時、保食神實已死矣。唯有、其神之頂化爲牛馬。顱上生粟。眉上生蠒。眼中生稗。腹中生稻。陰(ほと)生麥及大小豆(まめ)とあり、「記」両の耳に生る粟(あは)が、顱上で併合(あは)さり、一つになる。*都=合わす・顱上=頭蓋骨上→牛馬

成務天皇=崇神(御真木入日子印恵)天皇、尾張連祖意富阿麻比売を娶り、大入杵(おほいりき)命・八坂之入日子命・沼名木之入日売命・十市之入日売命を生む。その八尺入日子命の娘、八尺入日賣命を娶り、若帯日子命(成務)を生むとある。
 「成務紀」景行皇后の八坂入媛命を播磨太郎姫の薨後、母を皇太后と称すとし、「景行紀」の記述があり、弟媛ではなく、姉の八坂入媛を娶る。

竹野(たかの)媛=光仁天皇(母紀橡姫)の妃で桓武天皇の生母、百済(くだら)王後裔高野真妹の妹(或いは、娘)、高野新笠と関係が在り、現在、京都市内を流れ下る鴨川(妹系→弟系)と合流する高野川(姉系)に関係する。
 尚、福岡県浮羽郡田主丸町竹野、大分県南海部郡米水津村竹野浦、京都府竹野郡丹後町竹野(たかの)、兵庫県城崎郡竹野町竹野・轟・田久日(たくひ)三重県鈴鹿市竹野町(たけの)等。

輿から落ちた=四年春二月甲寅朔甲子天皇幸美濃左右奏言之茲国有佳人、曰弟媛容姿端正八坂入彦皇子之女也。天皇欲得為妃幸弟媛之家、弟媛聞乗輿車駕則隠竹林、~云々。於是天皇権令弟媛至而居于泳宮、之泳宮此云区玖利(くくり)能弥揶、鯉魚浮池朝夕臨視而戯遊時弟媛欲見其鯉魚遊而密来臨池。天皇則留而通之爰弟媛以為夫婦之道古今達則也然於吾而不便則請天皇曰妾性不欲交接之道。今不勝皇命之威暫納帷幕之中然意所不快亦形姿穢陋久之不堪陪於掖庭唯有妾。名曰八坂入媛容姿麗美志亦貞潔宜納後宮天皇聴之仍喚八坂入媛為妃生七男六女。*聞乗輿車駕則隠竹林=天皇の乗る輿車駕(こし)が来ると、聞いた弟媛は、竹林に隠れる。

養父沙本毘古=高群逸枝氏に拠る古代の母系制研究では、男子は婿に入ると、その姓氏や役職等を受け継ぐが、自らの氏神を祀るので出自は変わらない。また、他家の娘との間にも子を生す事がある。但し、生まれた子供は母系統に属すため、通常、母の家で育てられる。それが故、自らが生した子でも養父と認識されたと考える。また、正妻が在地の有力者であれば、生母でも、乳母でもある。

継母沙本毘賣=「記」若倭根子日子大毘毘命(開化=葺不合命)は、旦波之大県主由碁理の娘、竹野比賣を娶り、比古由牟須美命を生む。また、庶母の伊迦賀色許売命[乳母玉依姫]を娶り、[兄]御真木入日子印恵命。次に[妹]御真津比売命を生む。また、丸邇臣の祖日子国意祁都命の、意祁都比売命を娶り、日子坐王を生む。葛城之垂見宿禰の娘、鷲比売を娶り、建豊波豆羅和気を生む。
 この御真木入日子印恵命(崇神)が木国造荒河刀弁の娘、遠津年魚目目微比売を娶り、豊木入日子命、豊鋤入日売命を生む。尾張連祖意富阿麻比売を娶り、大入杵命、八坂之入日子命、沼名木之入日売命、十市之入日売を生む。大毘古命の娘、御真津比売命を娶り、伊玖米入日子伊沙知命、伊邪能真若命、国片比売命、千千都久和比売命、伊賀比売命、倭日子命を生む。
 「記」神武天皇が崩御後、その庶兄当芸志美美命は、神武の嫡后、伊須気余理比賣命(五十鈴媛)を娶り、その三人の弟を殺そうと謀る。


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  1. 2017/02/10(金) 10:06:00|
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