見まごう邪馬台国

(8)姐奴国

 姐[tsiăg][tsiă][tsie]=且(積み重ねた頂上)と女、一番年上の女、姉(卑弥呼→猿女君→天照大御神)
 奴[nag][no(ndo)][nu]=祭祀官下属の民

 漢字音を併せると、ッシァナッ(チァナッ→ジァナ→ザナ)→サナ(タナ)とになり、(5)彌奴国と同様、水耕稲作民の奴を通字とする奴国連合の構成国で、丸括弧内のチァッナッ→タナ(棚)→タノ(田野)とすれば、天候や潮汐の見張り台(棚)だろうか、東千余里の海民の福岡県宗像郡玄海町田野等、他にも以下の地名がある。

  熊本県天草郡倉岳町棚底
  長崎県東彼杵郡川棚町・小串(をぐし)郷・五反田郷
  長崎県佐世保市棚方町
  長崎県平戸市魚の棚
  佐賀県杵島郡有田町田野
  佐賀県東松浦郡(現唐津市)肥前町田野
  福岡県久留米市三橋町棚町
  福岡県北九州市若松区棚田町
  福岡県北九州市門司区田野浦     
  山口県豊浦郡豊浦町川棚川棚神社)・吉永(宮地嶽神社)・小串(こぐし)
  山口県宇部市棚井
  広島県佐伯郡宮島町魚之棚
  広島県佐伯郡大野町棚田
  兵庫県氷上郡春日町 棚原

 訓音の近似性から大分県大分市佐野(さの)、同県豊後高田市佐野、同県宇佐市佐野、宮崎県延岡市佐野町等、河岸段丘や山に挟まれた川沿いの小高い丘を表す地名になる。これに順い、前項からの流れから小高い丘に遮られた福岡県太宰府市大佐野(おおざの)・向佐野(むかいざの)付近に比定する。その西北の丘上には以下の弥生遺跡が在る。

 隈・西小田遺跡群 弥生~古墳時代(福岡県筑紫野市光が丘)勾玉・諸岡型貝製腕輪・芋貝製腕輪・ゴホウラ貝製腕輪・管玉・硝子製小玉等、前漢鏡、細形銅剣・鉄剣・鉄戈・銅戈等、 甕棺130基。
 野黒坂遺跡、弥生時代後期(同市針摺)翡翠製棗玉。
 原口古墳、3~4世紀頃(同市武蔵)管玉・丸玉・三角縁神獣鏡・直刀・鉄斧・前方後円墳(全長80m)。

 次項の傍国(9)對蘇国に使われる「對(版築の作業を云う)」に関連し、福岡県筑紫野市の前畑遺跡から発見された7世紀頃の太宰府政庁の防御施設とされる大規模な土塁は版築工法に拠るものとある。

 (10)蘇奴国と近い音を持つ事から山口県豊浦郡豊浦町小串(こぐし)と同訓の同県宇部市小串、岡山県岡山市小串、長崎県南松浦郡新魚目町小串郷と、長崎県東彼杵郡川棚町小串(をぐし)郷と同訓の広島県比婆郡東城町小串、群馬県多野郡吉井町小串の二系統があり、「記紀」神功皇后と仲哀天皇の夫婦と同様に死別する伊邪那岐(伊奘諾)と伊邪那美(伊奘冉)の男女の二神に通じる「イ・ザナ」にも関連がある。
 更に、「紀」東遷した神武天皇の御名「狭野(さぬ)尊」の関連もあり、三重県伊勢市山手、同県多気郡多気町大字仁田の天照大御神を天石屋戸から引きだした天手力男神が坐す佐那神社の佐那那県(さなながた)=佐野儺県にも繋がる。
 他にも広島県福山市高西町真田(さなだ)、島根県鹿足郡六日市町真田、大阪府大阪市天王寺区真田山町、長野県小県(ちいさがた)郡真田町等の地名も関連があると思う。

 何れにしても祭祀官(神官)を補佐する下属の奴国連合構成員で、一大率から官卑狗(文官)、副卑奴母離(武官)が派遣される。その武官だったのか、「記紀」誓約に勝った須佐之男命(素戔嗚尊)の乱暴狼藉に恐れをなして天石戸(天磐戸)に隠れた姉天照大御神→天照大神に関連し、狗奴国卑彌弓呼(ひめかな)の北上に拠り、邪馬壹国女王卑彌呼の死後、姐奴国等の連合国は追われて国域が移動し、蘇奴国の領域が拡がる。おそらく、サナギ→サヌキ(讃岐)、長崎県西彼杵(にしそのぎ)郡香焼(こうやぎ)町但馬(たぬば→たづま→たじま)と同県東彼杵(ひがしそのぎ)郡川棚町白石郷(豊姫神社)・浦川内等も治めたのかも知れない。

田野=熊本県人吉市田野町、大分県玖珠郡九重町田野、宮崎県宮崎郡(宮崎市)田野町、島根県那賀郡弥栄(やさか)村田野原、同県鹿足郡六日市町田野原、和歌山県和歌山市田野、福井県大野市田野、山梨県都留市川棚・大野、高知県幡多郡大方町田野、同県高知市田野町大野、徳島県小松島市田野町等、西日本では小高い丘上や山麓にある。

川棚神社(應神天皇・神功皇后・仲哀天皇)=初め北八幡宮と称したが、1397年の火災で焼失、大分県宇佐市の宇佐八幡宮(應神天皇・神功皇后・比賣大神)を勧請、南八幡宮(仲哀天皇)を併祭したと在る。尚、川棚(かわたな)を河岸丘だとすれば、棚(たな)は、山と山、その麓の河川が流れる谷間の細長い土地を意味すると考えられる。

太宰府市=付近には政庁跡が発掘されており、北部九州の中心で、愛岳山中腹の竃門神社は子孫繁栄のための天之石戸と思われる。また、丸山神社には、天津五神の一人、天之菩卑能命→天菩比命(御子建比良鳥命)/「紀」天之穂日命が祀られる。尚、岐阜県各務原市大佐野(おおざの)町(春日神社)は、木曽川の中州(河岸丘?)に拠り遮られた低湿地を新境川放水路で治水した。

小県=山間を流れる川が合流する谷間の低地に位置する小干潟(ちいさひがた→ちいさぃがた→ちいさがた)と云う転音になる。

速須佐之男命(素戔嗚尊)=滋賀県神崎郡能登川町佐野、同県東浅井郡浅井町佐野、京都府熊野郡久美浜町佐野、大阪府泉佐野市佐野台、同県相生市若狭野町福井、同県豊岡市佐野、同県神戸市兵庫区須佐野通(スサノドオリ)、同県揖保郡新宮町佐野、同県氷上郡氷上町佐野、同県津名郡津名町佐野、和歌山県新宮市佐野、島根県浜田市佐野町、山口県防府市佐野、同県豊浦郡豊田町佐野、徳島県徳島市国府町佐野塚、同県三好郡池田町佐野・同郡東祖谷山村佐野、高知県香美郡土佐山田町佐野、同県高岡郡越知町佐之国。
 尚、日本語の漢字音は、上古音か、中古音に拠るので、佐野は、ッサル・ヂァェ → サダェ → サド → サヅ → サヌ → サノ、或いは、ツァ・ヤ(の) → タ・ヤ(の)と転音する。*左・佐[tsar][tsa][tso]=サ 野[diăg][yiă][ie]=ジェ→ジョ/ヤ

卑彌弓呼(ひめかな)=卑[pieg][piĕ][pi]・彌[miər][miə(mbiə)][mi]・弓[kıəuŋ][kıəŋ][kıoŋ]・呼[hag][ho][hu]で、漢字の音を併せると、ピェミェキゥァッヌッハッ → ペメクァッヌッァッ → ピメカナ(秘狗奴→秘金)で、もしかしたら、秘[pier][pii][pi]・光[kuaŋ][kuaŋ][kuaŋ]が、ピェルクァヌク → ペムカヌッ → ヒムカナ → ヒメカナ(日光を受ける銅鏡)」と転音したか。*卑彌呼(秘巫女)

讃岐=「記」国産神話、伊豫国=愛比賣、讃岐=飯依(いひより→いいより)比古、粟国=大宜都(げつ/いと)比賣、土佐国=建依別と在り、西九州に多く見られる山名「飯盛山」等の飯(いひ/めし/まま)に関連が在ると考える。
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  1. 2017/05/17(水) 22:33:24|
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