見まごう邪馬台国

◇「海原」と「天空」

序でに、同訓「あま」を持つ「海(かい)」と「天(てん)」との関係と語義を考えてみましょう。例えば、後者を古事記歌謡では、「阿麻(あま)」と「阿米(あめ)」の二種で訓じます。これと全く同訓の漢字に「雨」が在ります。
天空の雨雲(あまぐも)から地上に降る雨滴(あまつぶ)を傘(あまがさ)や合羽(あまがっぱ)で避けます。詰まり、雨水の状態として形容する場合、「アマ」となりますから、陸上とは異界の水上として海(アマ)と呼んだとすれば、河辺に係留した家船に住む河民と同様、海中に潜る人や海上を移動する海民も陸地で耕作する人々にとって異界の他者と云う認識だと思われます。その訓音の成り立ちは、青海(あふま→あうま→あま)に転音したと考えられます。
一方、春雨(春のあめ→春しあめ)、秋雨(秋のあめ→秋しあめ)、霧雨(霧状のあめ→霧しあめ)、雷雨(かみなりあめ)、篠突く雨(しのつくあめ)、横なぐりの雨等、降っている雨水の状況や状態を形容する場合、「アメ」とされます。
例えば、豆汁(あめ)=大豆を蒸し煮した時の出汁で味噌・醤油製造の副産物。豆腐の原料や染物・油絵の彩料に用いる大豆(ミァメ→マメ)を水に浸し、磨り潰した汁=汁(ごじる)とあり、天智天皇(天之命開別/あめのみことひらかすわけ)が白村江へ救援に向かった百済(ペクチェ)は呉音の漢字を使ったと云われます。また、海(うみ)が「アメ」とされない理由は人間の糧となる魚海類、若布や昆布等の海草類、必要不可欠なミネラル「塩分」を生む生産(うみ)の場と考えます。
尚、汽水域とは、淡海(あふみ→あはみ→あわみ)は河口や江湾の入口に砂州等ができて海水の流入が減少した状態になります。海水(あま)と淡水(あふみ→あうみ→おうみ)との境(緩衝帯)で、その上層に淡水、下層に塩水(潮)が合わさります。詰まり、琵琶湖は淡水湖ですから、近江(おうみ)の語源を淡海(アフミ)とするのには疑問が在ります。
例えば、琵琶湖西岸の滋賀県大津市大谷の逢坂(あふさか→おうさか)は南北から延びた街道が登った山手で合流する地点に位置します。淡海も逢水(あふみ→おうみ)となり、現在の遠州灘とされる遠江(とふつうみ→とをとうみ)は、木曽川や揖斐川の伊勢湾奥(南朝系)、大阪湾奥の淀川流域大阪市付近の低湿地帯(北朝系)が、淡海→近江とすれば、大和朝廷のからの距離感や畿内(西国)と蝦夷(東国)と云う関係性の違いに拠って分けられたと考えます。
最後に、雨(アメ)と天(あまつ)神との関連を簡単に述べますと、「記紀」高天原(彼世)の天照大御神に大国主神が国譲りした葦原中国の一部「出雲」はヤマト(豊葦原瑞穂国)の穀物(米・粟稗)を実らせる恵みの雨(あめ)を降らす雲を生む国、天下=地上(此方=現世)を統治する(潤す)天之(天孫)を産む皇后(=紫雲)となります。
尚、「紀」神功皇后の新羅討伐では風神は風を起こし、波神が波を起こし海中の魚が悉く浮かんで船を扶けました。即ち大きな風が追風となって船は波の流れに乗ったのです。楫(かい)を使わず新羅(しるらぎ→しらぎ)に到った~云々。おそらく、天磐船(あまのいわふね)=南風に吹かれて北上した南方系漢民族(水耕稲作民)を伴って船に乗ってで渡来した海民系(アマ)=磐と天之鳥船(アメノトリフネ)=山背に吹かれ、朝鮮半島を経て南下してきた百済(渡屯家)と云う関係になります。
天皇の皇后だった皇極(斉)天皇が産んだとされる二人の皇子、大海人皇子(おおあまのみこ)は、12~16世紀頃、南中国の杭州で使われた音が母胎の唐音と関わりが深い新羅系で、中大兄皇子(天之命開別・あめのみことひらかすわけ)は呉音との関わりが深い百済系で、後にも先にも漢風諡号「天」が使われる天皇は、この二人しかいません。
 
黄牛(あめうし)=澱粉や米・甘藷(かんしょ)等の澱粉含有原料を麦芽で糖化させた甘味(あまみ)のある淡黄色や褐色の粘質食品の飴(あまぃ→あめ)の色からだろうが、網・羅(あみ)、浴(あ)み、醤蝦(あみ)等、区画が増える事、広がっている、爆発的に増殖する状態だとすれば、伸び広がる事か、畳み捏ねる事や編む事に関係するか。
生産(うみ)=海が糧を生んでくれる事で、それ内包する状態として熟む・膿む等も同源、客観的な場合、生(あれ)るとする。
大海人皇子(天武天皇)=天渟中原瀛真人(あまのぬなはらおきのまひと)は、唐の後盾で半島を統一した新羅(シルラ)の男系が唐の王族(男系李氏)に追われて北部九州に渡来、新羅(しるらぎ)と呼ばれた人々に近い縁か。

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  1. 2014/08/22(金) 14:59:25|
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