見まごう邪馬台国

◇其戸数道里不可得略載

 南至投馬国水行二十日五萬餘戸~ 南至邪馬壹国水行十日陸行一月七萬餘戸~ 自女王國以北其戸數道里可得略載其餘旁國遠絶不可得詳

 上記は、其北岸狗邪韓国から南で至る投馬国水行二十日可五万余戸~、同様に、南で至る邪馬壹国水行十日陸行一月可七万余戸~。女王国を含めない北側の国々は、その戸数道里を略載できるが、道程の東西に拡がる余の傍国は遠く(道も)絶えた所もあり、戸数や道里を詳らかにでき得ず。

 投馬国への最長の日程水行20日の道里はないが、「南至~」の起点とした其北岸の狗邪韓国から南側へ末廬国と半島を隔てた西側迄の水行10日、そこからの水行10日は、九州北岸を西へ水行後、西北岸の縁を廻り、東南方面に下った所にあり、可五万余戸。
 一方、邪馬壹国へも狗邪韓国から末廬国迄の水行十日、そこから陸行一月と、可七万余戸として、日程と戸数を記載するが、狗邪韓国から投馬国中枢への道里、不彌國から女王の都する所への道里と、邪馬壹国連合に服属する、その余の傍国(奴国を除く)20国への道里と戸数も略載されない。

 邪馬壹国の七万余戸(総じて~になるべし)は女王に属す国々の総戸数で、投馬国連合の五万余戸(総じて~になるべし)と旧奴国連合「有二万余戸」を併せた数値と考える。また、道程の對海国(千餘戸)、末廬国(四千餘戸)、伊都国(千餘戸)と、一大国(三千家)と不彌國(千余家)も、何れかの連合国に含まれるため、「其餘旁國」になる。ただ、一大国と不彌國の「家」は家門を持つ大夫(官僚)と、下戸(戸=門のない)の違いであれば、含まないかも知れない。

 一女子爲王名曰卑彌呼~以婢千人 自侍唯有男子一人給飲食傳辭出入 居處宮室樓觀城柵嚴設、常有人持兵守衞。

 以て婢千人は城柵内に住み、その雑事や田畑の祭事等に従事したとすれば、女王国中枢の戸数に含まれるが、常有人持兵守衞は派遣されたと考える。

 
次有斯馬國 次有已百支國 次有伊邪國 次有都支國 次有彌奴國 次有好古都國 次有不呼國 次有姐奴國 次有對蘇國 次有蘇奴國 次有呼邑國 次有華奴蘇奴國 次有鬼國 次有爲吾國 次有鬼奴國 次有邪馬國 次有躬臣國 次有巴利國 次有支惟國 次有烏奴國  次有奴國 此女王境界所盡。其南有狗奴國男子爲王。其官有狗古智卑狗、不屬女王。自郡至女王國、萬二千餘里~。

  (末廬国から東へ)次有り斯馬国、次有り已百支国、次有り伊邪国、次有り都支国、次有り好古都国、次有り不呼国、(折り返し)次有り姐奴国、次有り對蘇国、次有り姐奴国、次有り呼邑国、次有り華奴姐奴国、(奴国中枢を挟み西南へ)次有り鬼国、次有り為吾国、次有り鬼奴l国、次有り邪馬国、(沿岸部を北上して)次有り躬臣国、次有り巴利国、(沿岸部から東へ)次有り支惟国、(ここから東南部へ)次有り烏奴国、次有り奴国、これ女王の境界の尽きる所。その南に有る狗奴国は男子を王に為す。その官狗古智卑狗。これ女王に属さない。郡より至る女王国迄、萬二千餘里。

 「其餘旁国」は邪馬壹国への道程で道里と戸数を略載された自女王国以北に在る国々の東西に拡がる。旁国の奴国と道程の奴国は同国で、帶方郡東南に住んだ倭人の領域南側に属す邪馬壹国連合最南端で、女王に属す国境界の尽きる所に道里と戸数を略載された奴国の中枢がある。その東側に女王の都する所=邪馬壹国連合中枢の女王国、西側に投馬国連合の中枢がある。
 また、連合国の領域の最南端、奴国の南側に倭人の一国、女王に属さない狗奴国(連合?)があり、郡衙より、女王国に至る迄の里程、一万二千餘里の内訳は狗邪韓国迄の七千餘里(水行25~30日)、末廬国迄の三千餘里=最長水行十日、末盧国から二千里=最長陸行一月になる。

戸数と道里=例えば、道里に記載される戸数の場合、有~余戸、或いは、有~余家とあるが。日程として記載された投馬国は「可五万余戸」、邪馬壹国も可七万余戸とされる。こうした記述方の違いを無視する研究者は多い。「可(べし)」=良い事。良しとして許し、認める事。できる。*可能・許可
 漢和大辞典「可」の解字には、「屈曲した鈎形+口」とあり、様々な曲折を経て、どうにかそれと認められるとする。「字統」に拠ると、口と木の柯の象。祝詞を入れた器「口」、神に祝詞を捧げて、斧柯や柯枝を以て呵責を加え、祈りの成就を迫る。「呵」の初文とあり、神意がこれを聞く事とある。

伊都国=世有王皆統屬女王國。郡使往來常所駐。郡使が往来、常に駐まる所とされる理由は、ここが奴国中枢と邪馬壹国中枢の女王国へ向かう為の分岐点だからと考えられる。また、(女王卑弥呼の)世、有王は、女王卑弥呼係累の姻戚(統属)で、その王は、「有男弟佐治國(佐けて国を治める男弟)」と考える。
 大夫の国と思しき伊都国「有千餘戸」が「~家」とされない理由は、河川航行の荷役や宿場に従事する下戸が住み、不彌國の有千余家に官僚や神祇官が居たからだろうか。当然の事ながら、一大率の役所が在り、その官卑狗や副官卑奴母離直属と同等の官曰爾支、副曰泄謨觚、柄渠觚官等が常駐していた。

一大国(三千家)=自女王國以北特置一大率檢察諸國諸國畏憚之常治伊都國。於國中有如刺史とある=女王国より以北、一大率を特置、諸国を検察、諸国は恐れ憚る。(郡使が往来するので)これ伊都国を常治す。我が国中に於て有る刺史の如き。とある。おそらく、その武官(大夫)と家族等が住むと考える。
 「三千家」=「~餘戸」は、その数値を上回るが、大体、その数値。三千許家の「~許」は、満たないが、略、その数値。また、「可~」は、総じて~になるべしと考えられる。
 許[hıag][hıo][hiu]=上下に幅を空けて通す。まあ、これなら良かろうと聞き入れる。可能である。その資格があると認める。下(もと)、所、許り=数詞や指示詞に付けて上下に幅のある事を認める。

大夫=男子、無大小皆黥面文身。自古以來、其使詣中國、皆自稱大夫=男子、大小はなく、黥面文身。古来より、その使い中国に詣で、皆自ら大夫と称す。

邪馬壹国連合の最南端=「後漢書」倭奴國奉貢朝賀使人自稱大夫 倭國之極南界也。倭国の極南界とされる倭奴国と狗奴国の関係はないのだろうか。尚、倭人の領域東側は、女王國東渡海千餘里復国有皆倭種とされた領域になる。


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  1. 2018/02/19(月) 10:03:52|
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