見まごう邪馬台国

◇まとめ

 最後に述べてきた事を纏めると、「耶麻騰(耶摩騰)」「夜麻登」「夜摩苔」に託された事は、「記」冒頭 の天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神、天照大御神(天照大神)・月読命(月夜見命/月弓命)・建速須佐之男命(素戔嗚尊)、「紀」国常立尊・国狭槌 尊・豊斟渟尊等の三神や、大和の三山等と同様、この国や日本人を形作る象徴的な系統で、三つの内、二系統が統治すると、残りの一系統は熊襲や蝦夷として東 西の隈曲(くま)に追われます。後代、先行の二系統が分裂、残りの一系統と繋がり、再度、表舞台に返り咲くと云う歴史が、南北朝の併合迄、何度も繰り返され ました。その主たる状態が、西国の平安遷都(公家社会)と東国の鎌倉開幕(武家社会)と考えます。
 
また、此処で、その詳細を述べるのは控えますが、その思想性も述べておきます。例えば、中国思想の陰陽五行では、陽気「水」=精神を司る「魂」、陰気「土」=肉体を司る「魄」とし、陰陽の合わさった「木気」を生命の象徴とします。人(木気)が死ぬと肉体は滅び土に還るが、身体から遊離した霊魂は、天之鳥船(天鴿船)で天宮に運ばれて、「魂(水気)と魄(金気)に振り分けられます。
 
「魄」は土壌が植物を育む様に肉体を司り、成長を促す力を持ち現世の赤子に宿ります。一方、精神的な動きを司る「魂」は陰極(母胎)で来世の命として宿り子宮で胎児(木気)を育む。火気は嬰児(みどりご)が母乳(魄=金気)から免疫機能を授かり、「人」+魂と魄が備わった赤子としてスクスクと育ち成人する事の象徴です。更に、こうした動きを太陽の輪廻としても擬えました。

   
日出=肉体の誕生(魂)、南中=成人(魂と魄)、日没=肉体の死滅(霊)

 
「記紀」が持つ時系列は、過去から未来へと横一列で経過するのではありません。「記」肥河上の出雲でスサノヲがヤマタノヲロチを退治して得た草薙剣(都牟刈大刀・天叢雲剣)を天照大御神に献上する説話と、その全段「誓約」で語れれる説話、高天原に参上った速須佐之男命が持っていた十握剣は同体で、ヲロチを退治した後、高天原での誓約(うけひ)の場面へ戻り、天之岩戸開きで輪廻転生します。
 上記の「耶麻騰(耶摩騰)」「夜麻登」「夜摩苔」を思想性に順い設定します。「耶麻(耶摩)」は春(東)の日差しに暖められて霞の如く舞い騰がる水気が天宮へ還り、天岩戸から蘇るの天照大御神(豊葦原水穂国)系統。「夜麻」は南風に乗り、高天原へ参上り、新しい生命を授かるスサノヲ(黄泉国)系統になります。最後の「夜摩」 はスサノヲが神ヤラヒされた肥河上出雲の櫛名田(奇稲田)姫(+月夜見命)の系統で、営々と受け継がれる人の世で、スサノヲ(+須世理毘賣)系統を併せて 統治者が何度か入れ代わった葦原中国となります。それが葦原中国に天降り(平定)する説話が出雲(大国主神→事代主神))の国譲にすり替わる理由でしょ う。
 
「紀」スサノヲの物実(十握剣)で生した三女神は葦原中国宇佐嶋(現世)へ降臨後、道主貴(みちぬしのむち)として鎮座した朝鮮半島への中継地点「海北道中」は、霊魂が天宮(北極星)に向かう天道と考えます。一方、天照大御神の物実で生した五男神は三女神に遅れて輪廻転生するのか、詳細は控えますが、筑紫の白日別から見ると太陽が昇る東北に鎮座する出雲大社の配祀天五神は同体でしょう。
 日毎、形を変える太陰を人の肉体を司る「魄(月夜見・月読・月弓)」、不変不滅の太陽を精神を司る「魂(天照大御神)」とし、併合した南北二系統=天皇と皇后の繁栄と、その存続を願ったと思われます。(了)

陰陽五行=中国古来の哲理、天地間に循環流行して停息しない木・火・土・金・水の五つの元気を万物組成の元素とする。木から火を、火から土を、土から金を、金から水を、水から木を生じるを相生(そうしょう)、木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に、に剋つ事を相剋(そうこく)という。
「火」と云う漢字は、「人」と云う文字に、
「丶(ちゅ)」=神が左右から宿った状態を表し、赤子が成長して足が立った姿を表したと考えられる。

出雲大社=島根県出雲市大社町杵築(きづき)東にある元官幣大社。社殿は大社造と称し、日本最古の神社建築の様式。出雲国一の宮の祭神、大国主命と配祀の天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神・宇麻志阿志軻備比古遅命・天之常立神 
関連記事
スポンサーサイト
  1. 2014/11/20(木) 08:31:11|
  2. 1.私論「大和」
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<◇大きな領域 | ホーム | ◇何故、大和(やまと)なのか(2)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mimago.blog.fc2.com/tb.php/30-1f4d21d5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)