見まごう邪馬台国

◇女王卑彌呼

  其國本亦以男子爲王 住七八十年 倭國亂 相攻伐歴年 乃共立一女子爲王名曰卑彌呼事鬼道能惑衆
  年已長大無夫壻 有男弟佐治國 自爲王以來少有見者 以婢千人自侍 唯有男子一人給飲食傳辭出入
  居處宮室樓觀城柵嚴設 常有人持兵守衞

 本来、その国も男子の王を為し、70~80年を住まう。倭国乱れ、互いに攻伐する事、年を歴る。そこで一人の女子を女王に為す名卑彌呼鬼道を能くし、衆を惑す。已に年輩だが夫婿はない。男弟有りて佐け治む。王になってより、姿を見た者少なし。婢千人で以て侍る。唯男子一人有り、飲食の世話と伝辞で出入りす。居処、宮室と樓觀や城柵を厳かに設け、常に兵器を持つ人が有り、守衛す。

 卑[pieg][piĕ][pi]=酒を注ぐ柄杓を手に持つ形。
 彌[miər][miə(mbiə)][mi]=前出、「爾」で、豊かな毛髪と女性の美しい文身。弓は男性のトーテムで、爾支にも使われた爾(矢)を射る弓。
 呼[hag][ho][hu]=(字統)乎が初文、神事に於て神を呼ぶ時に用いた鳴子板の形。また、状態を表す語に付けて語調を強める語ともある。

 使われる漢字の音を併せると、訓みは「ピェッミェルハッ→ペメゥハ→ヒメゥア→ヒメワ」、語義を考え併せると、就任後、隠れて姿を見せない巫女(秘巫 女)と云うニュアンスの名称になる。これを「秘委」とすれば、その漢字音は、秘[pier][pii][pi]・委[・ıuar(・uar)][・ ıuē(ua)][uəi(uo)]と在り、これを併せると、訓みは、「ピェルィゥァル→ペ゚リワル」となる。70~80年は男王の国だったが、何らか の影響で年を歴て相功伐したが、卑弥呼を女王として共立すると、何故か、終息した。
 上記、鬼道(占星術)に長けた巫女王卑彌呼と男弟(伊都国王)は農事暦を作り、豊かさを約束したと考える。此にも「卑」の字が使われる事からすれば、銅 鏡や銅矛、銅鐸を捧げて誓約し、天帝(北極星)や天神(太陽)から命を受けたか、男弟(伊都国王)や諸国王から爵を受けたとすれば、その用字の理由や意味 が分かる。また、次項、狗奴国王の卑彌弓呼が前代の男王を輩出した系統委奴国王で、これも同系の名付け、男性トーテムの弓や剣等を捧げて誓約し、天命を受 けた王と考えられる。*巫[mıuag(mıuo)][mıu(mbıu)][wu]、覡[ɦɔk][ɦek][hiəi]
 例えば、「記紀」天降条天稚彦(天若日子)に弓矢を授けて平定(ことむけやわせ) と、騒がしい葦原中国に天降りさせるが、出雲の大国主神に媚び諂う。更には朝鮮半島の「三国史記」に見える弓忽(kom-kol)山は、弓を神器として奉 納した扶余族等の神山(kom-tal)=熊山で、弓や鉾(剣)等は男性器のシンボル、矢は父系の血胤で、「記紀」火神カグツチ(前代の王)の頚を斬った 剣神「伊都尾羽張」と在り、その剣から滴り落ちる血も同義と考えられる。尚、宮中では御子が生まれると弓の弦を弾いて音を起てて邪を祓い浄め、無事の成長 を祈念する儀式が行われた。
 続いて以下の如く傍国20ヶ国(或いは21ヶ国)を女王国以北の八ヶ国は情報を略載できるが、その余傍国は遠絶にして詳らかにできないと羅列する。

  自女王國以北其戸數道里可得略載 其餘旁國遠絶不可得詳 次有斯馬國 次有已百支國
  次有伊邪國 次有都支國 次有彌奴國 次有好古都國 次有不呼國次有姐奴國 次有對蘇國
  次有蘇奴國 次有呼邑國 次有華奴蘇 次有鬼國 次有爲吾國 次有鬼奴國 次有邪馬國
  次有躬臣國 次有巴利國 次有支惟國 次有烏奴國 次有奴国 此女王境界所盡~

 尚、道程で記された以北の九ヶ国(狗邪韓国・對海国・一大国・末盧国・伊都国・奴国・不彌国・投馬国・邪馬壹国)の一つ奴国と、此女王境界所盡とされた奴国が同国だとすれば、海上と陸上(倭地)を合わせた女王国連合(29ヶ国)と狗奴国を含め、使訳を通じて朝見する30ヶ国とせざるを得ない。尚、傍国の国名と、その意味は「傍国考」にて詳述する。 






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  1. 2015/04/23(木) 16:10:54|
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