見まごう邪馬台国

◇とでもない

 今回は「迚も」=どんなにしても、どうせ、所詮等の語源を考えてみます。例えば、漢字の語義の「途中迄」を言い換えると、当事者が持つ意識の上や先、多い・足す事になります。それを日本語で表すと、以下の如くなります。

  跳(ぶ)=立ち位置より高い→飛(ぶ)→鳥(り)→鳶(び→とんび)→蜻蛉(んぼ)
  綴(ぢる・つづる)=重ねて繋ぐ、年(し)・時(き)・常(き→とこ)の年々、日々、刻々と重ねる
  富(む)=増化(上向)→よ)、床(こ)=一段高い→殿(の)
  取(る)=手に持つ→共(も→つれ)=友

 一つずつ付加する事を意味する助詞「と」と同音「と」に、靴を買って・も~。花を送って・も~。雨が降って・も~。彼に会って・も~。住所を尋ねて・も~等、予定外、意外、結果を伴わない、意味がない等のニュアンスで使われる「~ て・も」を併せた「とて・も」で、「途中迄」と云う語義の漢字「迚」そのもの、言い換えれば、「究極ではない」になります。詰まり、本来、「非常に」「大 変」「すごく」等の語義は無かったと思われます。また、述べてきた事から、誤用とされる肯定表現の例文を順に以下の如く書き換えて、思いの外、予想外等の ニュアンスの肯定の文型にしても良いでしょう。

   「迚も良いです → 大変、良いとは云えないです → 思ってたよりも良いです
   「迚も安いです → 非常に安いとは云えないです → 安いと云っても良いです
   「迚も綺麗です → すごく綺麗とは云えないです → 綺麗と云っても良いです

 ただ、広辞苑「迚もかくても」=あの様でもこの様でも、詰まるところ。「迚ものこと」=いっその事、寧ろ等、何れも、行き着く所迄→ 非常に等の語義を思い浮かべるので、「迚もだめだ」と云う様な否定的な語義を持つ表現のイメージが強すぎて、肯定表現に用いられると違和感があるのも確か だと思います。おそらく、「迚も」は否定を伴い、どんなにしても、如何様にしても目標や目的を遂げるのは無理(~できない)と云う意味で使われていました が、目一杯やっても~ない。余程の事でも~ない等、思いの外や予想外と云うニュアンスにも派生して、迚も~でない→迚もじゃ(や)ないとも使われます。こ れを言い換えると、何としても、如何様にしても等と云う状態や状況ではない→それどころではない→とんでもないと云うニュアンスにもなります。それが、意 外、予想外と云うニュアンスを持たせる助詞「も」に拠って、これ以上は無理と云うニュアンスを感じさせるのか、「非常に」「大変」等の語義にも派生し、肯 定表現でも使われたのかも知れませんが、私見では、解決しない、十分ではない、準ずる等の語義「とて・も」と、「とっても」は、前回、本来の成り立ちの違う「突き抜ける」と云う語義としました。
 広辞苑「とでもない」=途(道筋・道理)でもない。「とんでもない」と同義とありますので、「当(とぅ) でもない→とでもない」も、当然ではない→当たり前ではない→不当だと云うニュアンスになりますが、「迚も」とも近い発生語源と考えます。例えば、「とん でもない」は、話者が、平均か、それ以下と云う意識で、「当然ではない」「相当ではない」と否定しますが、同様に、「迚も~ない」は平均以上→目一杯と云 うニュアンスが、全く思いもよらないとされて、とっても→とても=非常に、すごく等の語義にも派生し、「迚も~です」として肯定表現に使っても間違いでは なくなったと考えられます。
 次回は、慣用句の「満更でもない」を予定してます。もう少し、お付き合いください。

「とんぼ」=とんぼ返りとされる様に、くるりと方向転換する事から、船尾=艫(とも)→蜻蛉(群れて飛ぶ→とも)→共(とも)→友(とも)。
同音=万葉仮名甲「と」、乙「と」の二種があり、本来の音が違っていたのか、樋(とひ)=水平に伸びる。十(とを)=終始→境目、苫(とま)=縦横に拡がる。解(と)く=開いて見せる、虎(とら)等との直接的な関係性は見えない。
「~ても」= 〔助詞〕接続助詞「て」に係助詞「も」を付加する(イ音便の一部や撥音便では「でも」)。仮定の条件をあげて、後に述べる事がそれに拘束されない意を表す (たとい~ようとも。~とも)。事実をあげて、それから当然予想される事と逆の事柄を述べるのに用いる(~たけれども)。
「とて」=〔助詞〕(格助詞トに接続助詞テの加わったもの)体言、それに準ずる語句や文に付き、引用する意を表す。~と言って、~と思って、~として、~ということで、~しようとして、~という名で。(下に打消または反語を伴い)~として。~といって。(体言に付いて)~だけあって、~なので、~であるから。~もやはり、~だって。
「とんでもない」=〔形〕「途(と)でもない」の転。とても考えられない。思いもかけない。途方もない。非難する気持をこめて言う。相手の言葉を強く否定して、そんなことはない。冗談ではない。とあるが、先述した様に、本来、謙り、やんわりと否定するとした。
「とぅでもない」=万葉仮名「と」には甲乙二種があり、「古事記」歌謡、豊=登与(とぅ・よ)、常・床=登許、年=登斯、鳥・取=登理など、二重母音だったとも云われる乙音「と」で訓じる。尚、甲音の場合、「長母音」や「短母音」と考える。 
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  1. 2015/06/18(木) 15:08:33|
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