見まごう邪馬台国

◇一段落

 慣用句も一段落しました。最後に、一段落(ひとだんらく)は誤読で、「イチダンラク」が正しいとされる事を考えます。広辞苑「一段落(いちだんらく)」 項に、一つの段落、一区切り。物事が一旦、片付く事。「ヒトダンラク」は慣用的な読みとされます。しかし、これには疑問があります。例えば、上記、一区切 (イックセツ)とは読みませんし、広辞苑には「一(ひと)~」とされる言葉が他に幾つもあります。一つ一つ拾い順に見ていきましょう。

○一雨(ひとあめ)=一度の降雨。一頻り降る雨。*一雨一雨(ひとあめひとあめ)暖かくなる
○一息(ひといき)=一度の息つぎ、一呼吸(ひとこきゅう)。一休(ひとやすみ)。少しの時間。一気(いっき)。「いっそく」=僅かの息、一寸とした息。
○一切(ひときれ)=一つの切れ端。一片(いっぺん→ひとひら)。「イッサイ」とすれば、全ての事、全体、残らず等の意味。
○一言(ひとこと)=簡単に述べる、僅かの言葉、少し言う事。一つの言葉、一語(いちげん)。
○一入(ひとしお)=初めて染色液に浸ける事を初入(はつしお)、一入、一入と浸けて染め色を濃くしていく。幾度も染める事を千入(ちしお)。一層、一段等と共に「喜びも一入」。一入(いちしお)、二入(にしお)等とは呼ばない。
○一頻(ひとしきり)=(副詞的に用いる)暫くの間、盛んである様。
○一度(ひとたび)=一遍(いっぺん)、一旦(いったん)、同時。「度」は序数的なニュアンスを持ち、一度(ひとたび=いちど)、二度(ふたたび=にど)、三度(みたび=さんど)と、何れでも使われる。
○一時(ひととき)=暫(しばら)く。或る時、約2時間。「いちじ」=曾て、一頃、過去の或る時、その時限り。臨時、当座、同時、1回、1度、一時解雇、一時的、少しの辛抱。等、「度」と同様、何れにも使われる。
○一握(ひとにぎり)=片手で握る程の量。僅かの量。一掴(ひとつかみ)。敵等を容易に遣っつける事、この場合、二握(ふたにぎり)目はない。
○一晩(ひとばん)=日暮れから夜明け迄の間、或る日の晩。翌日、もう一晩の場合、二晩(ふたばん)
○一枚(ひとひら)=薄く平らなもの→一片(いっぺん)、花弁のひとひらひとひらは、数を数えるわけではない。
○一巻(ひとまき)=一度巻く。一族・同族。一巻物、一本。巻数一つ。一つの事。一式。「いちまき」=一巻子本(いちかんすぼん)・絵巻物。一書物の全内 容。(事物の)一部始終・一切・全部。「いっかん」=巻物・フィルム等の一つ。第一の巻。等、動詞と名詞で、「度」と同様、何れにも使われる。
○一目(ひとめ)=一度見る。一寸見る。目の中一杯。物や景色が一瞬の間に見渡せる(一望)。一目惚れ。「 いちもく」=囲碁で、一つの地や石。一目散、一目瞭然、一目置く。
○一休(ひとやすみ)=少し休む。小休止。*一入(ひとしお)と同様、何度、休もうとも。
○一夜(ひとよ)=一晩(ひとばん)、或る晩、或る夜。夜中、終夜(よもすがら)。一夜妻(いちやづま/ひとよづま)。「いちや」=日暮れから夜明け迄。一夜城(いちやじょう)、一夜漬(いちやづけ)、一夜干(いちやぼし)。

 上記からすると、「ひとだんらく」は序数ではなく、一固まり(区画)を示唆し、後はありません。もし次ぎにも在るとすれば、一段落(ひとだんらくめ)とされます。一方、「いちだんらく」は、序数詞として順番や回数を示唆するので、後に、二(に)段落や三(さん)段落が予想されます。詰まり、「ひとだんらく」=一つの段落、「いちだんらく」=一つ目の段落と云う使い分けがあったと思われます。(了)

「いちげん」=一言居士は、兎に角、何事にも、自分の意見を云わなければ、気のすまぬ性質の人。一家言(いっか・げん)=その人独特の主張・論説。また、見識のある意見。
序数詞=数量を量り、順序を数えるのに用いる語。前者は1・2・3、1個・2個・ 3個の類(基数詞)、後者は1番・2番・3番、第1・第2・第3の類(序数詞)。順序数=〔数〕自然数には、物の順序を示す機能と物の個数を示す機能とがある。前者の場合の自然数を順序数、後者の場合を濃度・基数・カーディナル数という。序数。オーディナル数。
 
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  1. 2015/08/07(金) 19:33:30|
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