見まごう邪馬台国

◇「到~」

 前項の「至」は何らかの経緯が付帯するが、「到」は、以下の如く、「何らかの目的で以て」として良いだろう。

 (1)邈、遣將衞茲、分兵隨太祖。滎陽汴水遇卓將徐榮。與戰不利、士卒死傷甚多。
 張邈、將の衛茲(え)を遣はし、兵を分けて太祖に隨わせしむ。滎陽(けいよう)・汴水(べんすい)に到り、卓の將、徐榮と遇ひ、戰ふも利ならず、士卒死 傷すること甚だ多し。→ 張邈の遣わした将衞茲は分兵して太祖に随わせた。太祖は滎陽汴水に到り、董卓の将徐榮に遭遇した。文脈的には、董卓を追うため で、その将徐榮に遇う事が目的ではないが、偶々、徐榮の居る滎陽汴水に到着した。

 (2)榮、見太祖所將兵少力戰盡日、謂酸棗未易攻也。亦引兵還。太祖酸棗。諸軍兵十餘萬、日置酒高會、不圖進取。
 徐榮は、太祖の將いる兵は少ないが、力戰して持ち堪えるのを見て、兗州陳留郡酸棗は、未だ攻むるに易からざるを謂ひ、亦、兵を引いて還る。太祖酸棗に到る。諸軍の兵十餘萬~云々。→ 徐榮の思惑とは関わりなく、太祖は諸軍の兵十餘萬と合流するために酸棗に到る。

 (3)術退保封丘。遂圍之。未合、術走襄邑。追太壽。決渠水灌城。走寧陵、又追之。走九江。夏、太祖還軍定陶。
 袁術は退き、兗州陳留郡封丘を保つ。遂に曹操は、これを囲むが、戦わないまま、袁術は兗州陳留郡襄邑に逃げる。これを追い太壽に到る。渠水を決して城に水を灌ぐと、袁術は予州梁国寧陵に逃げる。更に、これを追うと、中原を出て長江南岸揚州九江郡に逃げ帰ったので、夏、太祖還り、兗州済陰郡定陶に行軍す。→ 逃げる袁術を追う目的で到った太壽で、渠水を決して水を濯いだ。

 (4)會張邈與陳宮叛、迎呂布、郡縣皆應。荀彧程昱保鄄城、范東阿二縣固守。太祖乃引軍還。布、攻鄄城不能下、西屯濮陽。
 会した張邈と陳宮が叛して、迎える呂布に郡県司、皆応じる。荀彧(じゅんいく)、程昱(ていいく)は鄄城を保ち、兗州東郡范、兗州東郡東阿の二県を固守する。曹操は二人に任せて軍を引き還る。呂布、到り、兗州済陰郡鄄城を攻めるが下せず、兗州東郡濮陽の西に屯営す。→ 文脈的に、呂布は太祖が還ったのを 見計らい、鄄城を攻め滅ぼす目的で到る。

 (5)張濟、自關中走南陽。濟死、從子繡、領其衆。二年春正月、公宛。張繡降、既而悔之、復反。
 張濟、關中より荊州南陽郡に走る。濟が死んで、從子張繡、後を継ぎ其衆を領す。二年春正月、公(曹操)、同郡宛に到る。張繡は降伏したが、もう既に、これを悔い、再度、反く。→ 曹操は南陽郡に逃げた張濟を滅ぼす目的のために追って同郡宛に到る。

 (6)夏四月、公北救延。荀攸説公曰「今兵少不敵、分其勢乃可。公延津、若將渡兵、向其後者。紹必西應之。
 夏四月、公(曹操)は北に向かい劉延を救う。荀攸、曹操に説いて曰く「今、兵少なく敵わないので、袁紹の軍勢を分けさせるべし。曹操は、兗州陳留郡延津 に到り、兵を将い河を渡った後、西に向かったならば、袁紹は、必ず西に向かい、これに應じるだろう。→ 袁紹の軍勢を別けるための作戦を実施する目的で延 津に到る。

 (7)太祖兵少乃與夏侯惇等詣揚州募兵。刺史陳温丹楊太守周昕、與兵四千餘人。還龍亢士卒多叛。銍建平、復收兵得千餘人。
 太祖の兵は少ないので、夏侯惇(かこうとん)等と揚州に詣り、兵を募り、刺史陳温、丹楊郡太守周昕(しゅうきん)に四千餘人の兵を与えて、太祖は還り、 予州沛国龍亢に到る。士卒多く叛したため、予州沛国銍、建平に至り、再び兵を收め千餘人を得る。進みて河内に屯営す。→ 前段に在る何らかの目的で龍亢に 到る迄の間、士卒の多くが叛したと云う理由で、当初の目的ではない、銍、建平で、再び、兵を収め、千餘人を集める。

九江(Jiujiang)=中国江西省北部の都市。鄱陽(はよう)湖口に近く長江南岸に臨む河港。風光明媚の廬山(ろざん)がある。潯陽(じんよう)。九つの川が濯ぐ事から洞庭湖の旧称。
從子=当時、甥(おひ→おい)や姪(めひ→めい)という文字が無かったのだろうか。 「從子」とする理由はなんだろうか。日本では、従兄・従弟・従姉・従妹(いとこ)とされる。従う=強大で、不動・不変なものの権威や存在を認め、自分の行 動をそれに合わせる。後について行く。随行する。逆らわない。意のままになる。相手の言うなりになる。命ぜられた通りに行動する。降参する。屈服する。動 かされるままに動く。任せる。川・道等に沿う。その進む通りに行く(~から)。「遵う」とも書く。慣例・法規等に倣う。拠る。違反しないようにする。応ず る。順応する。従事する。その事に携わる。
 
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  1. 2015/12/19(土) 09:18:47|
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