見まごう邪馬台国

◇和語「甲(かふ)」と韓国語「飼(kiuda)」

 (3)眉(まゆ)から蚕(かひこ)

 何故か、眉(nun・ssop)から蚕(nwe)は韓国語の対応が見えません。「紀」眉上に蠒生れりとします。例えば、漢和大字典「蠒(爾+虫)」は繭(まゆ)の別字とあり、眉(まゆ)と通音して対応します。一方、「記」頭に蠶(かひこ)生るとあり、蠶は毛髪(桑の葉)から眉上に移動、繭を被るのでしょう。おそらく、眉(まよ→まゆ)が繭と通音する理由は、平安期の公家や武家の女性は眉を剃り、楕円形(繭形)に描いた事と思われます。
 例えば、蠶(かひこ)も繭(まゆ)を被る甲子(カヒコ)=飼子で、「飼ふ」=囲いで覆われる場所や屋内で養う事になります。詰まり、同訓の貝(カヒ)も殻を被るものになります。また、頭(カシ・ラ→カチゥ・ラ)に転音、「広辞苑」頭(かぶり)とあり、被(かぶ・る)・冠(かむり)・甲冑(かぶと)・禿(かぶろ)・蕪(かぶら)等も同源になります。それが故でしょうか、「紀」(1)頂に牛馬の化し為り有るに関連し、被った繭を破って出た成虫(蚕蛾)が交尾後、直ぐに死ぬからか、口の利けないおしら(唖等)様と呼ばれ、桑の木でできた馬頭のもの、烏帽子を被る等、男女一対の偶像にされます。
 「紀」天照大神が繭を口に含み糸を手繰り、紡ぎ出すとあり、成虫(蚕蛾)は口中から腹中に移動、陰(ほと)で転生するのか、尻から体外に排出されるのかも知れません。また、「記」建速須佐之男命との誓約(うけひ)後、天照大御神は斎服殿で機織る時、その頂(棟)から逆剥ぎの斑駒(ぶちこま)を堕とし入れ、驚いた機織女が梭(ひ)に陰上を衝いて死んだ後の岩戸隠れとすれば、天照大御神や大気津比賣に転生したのかも知れません。
 「記」食神大宜都(げつ→いつ・いと)比賣の説話後、八百万神に神ヤラヒされた速須佐之男命が、肥河上でヤマタノヲロチ退治する時、大山津見神の子足名 椎と手名椎夫婦の娘櫛名田比賣を櫛(簪)に変えて御角髪(御髻)→耳鬘(みみづら)に刺すとします。これは先述の牛頭天王系の(頭)櫛名田比賣→八坂姫+(体)須佐之男命(素戔嗚尊)ですが、退治後、須佐之男命は足名椎に我が首(おびと)たれと命じますので、足 名椎+須佐之男命になり、足名椎を櫛名田比賣の父とすれば、どちらの系統にも属しません。ただ、根堅州国で須佐之男命が娘須勢理(須世理)毘賣に転生した とすれば、先述の馬頭観音系足名椎+須勢理毘賣になります。また、足名椎が娘櫛名田比賣(八坂姫)に輪廻転生すると牛頭天王系にもなります。
 また、「記」帯(たらし)を「紀」足とするので、帯(たらし→おび)=負ぶとすれば、「記」出雲神話は大国主神が須佐之男命の娘須勢理毘賣→須世理毘賣を背負い根堅州国から出て出雲大国を建国すると、牛頭天王系(頭)須世理毘売+(足)大国主神になります。「記」須世理毘賣(頭=持統)を背負い根国から出て行った大国主神→大己貴命(浄足=天武)の併合と考えられます。また、「紀」高御産霊神と天照大神に天鹿児弓と天真鹿児矢を授かり、天降った天稚彦が大己貴命(大国主神)の娘を娶ったと云う記述にも繋がります。
 こうして変遷からか、「記」葦原色許男→大穴牟遅命→大国主神と輪廻転生させ、「紀」大己貴命は須佐之男命の五世(六世)孫として、何れにしても万世一系を示唆するべく記述されます。また、佐賀県の或る神社では神無月に大国主神がお忍びで来ると云う伝承が在り、その足を洗い浄めるために村の若者が水を汲むと云う神事が行われる。大国主(女系大穴持命)神は縁結びを司るので、この神事は婿選びとして良いでしょう。

蠶=「蚕=蚯蚓(みみず)」の本字。飼い蚕(かいこ)の意、蝶目鱗翅(りんし)類、蚕 蛾の幼虫。孵化した時は黒く見える毛蚕(けご)・蟻蚕が、第1回の脱皮後、灰色になる。多くは暗色の斑紋を具え、13個の環節がある。通常、4回、脱皮す るための眠(みん)を経て成長、絹糸を吐いて繭をつくり、中で蛹(さなぎ)になり、羽化した蚕蛾は繭を破り、外に出て交尾・産卵後に死ぬ。繭から絹糸を取 る。家蚕(かさん)。御蚕(おこ)。おしら。
眉「マユ(マヨ)」=状態から間(マ)が凭・依(マヨッ→マヨ)る。形状からマユ=弓(マユルム→マユーム→マユム)とすれば、弓(マユム→マユ)となり、間よる弓なりの形状として良い。
貝(カヒ)=二枚貝の場合、合(カフ→カヒ)で、巻き貝の場合、甲(かひ)→被(かぶ)ると考えられる。*被る(suda)
カチゥ・ラ(kazira)=鬘(カジゥラ→かずら)は蔓草や花等を頭髪の飾りとしたもの。頭髪に添えるため、毛髪を束ねたもの。髢(かもじ)、添髪。仮髪=毛髪で種々の髷型をつくり、俳優等が扮装のため、髪型を変えるために被るもの。
おしら(唖等)様=東北地方の民間で信仰する養蚕の神。巫子(いたこ)が祭る。おしら神。おしら仏は、桑木で作った馬頭のもの、烏帽子を被ったもの、男女一対(牛と馬?)の偶像。尚、垂仁天皇の本牟智和気王や天智天皇の建皇子は口が利けなかったとされる。
尻から体外=次に火之夜芸速男神を生む。亦名火之炫毘古神。亦名火之迦具土神。この子を生み伊邪那美神は御陰(みほと)焼かえ病臥せる。この時、多具理邇生る神の名金山毘古神と金山毘売神。屎成る神の名波邇夜須毘古神と波邇夜須毘売神。尿(ゆまり)成る神の名弥都波能売神と和久産巣日神。この神の子は豊宇気毘売神。伊邪那美神は火神を生みて遂に亡くなる。例えば、蠒(まゆ)=爾+とすれば、多具理邇の邇(之繞+爾)は繭の糸を手繰る事、その繭を解くための湯が滾(たぐ→たぎ)る事に関連し、「広辞苑」やま(よま)=撚糸・縒縄、釣糸、及び、網糸とあり、多具理邇生る金山(カナヤマ→キヌヤマ→絹やま)毘古・金山毘賣とも考えられる。*屎に成る神=(男女の一対のおしら様?)、尿(ゆまり)=湯放り
斎服殿で機織る=現在でも宮中で皇后自身が蚕を養い絹布を機織り、斎衣を作ります。
斑駒(ぶちこま)=白黒の馬(まだらうま)、牡馬と牝馬で、「紀」保食神→天照大御神、尚、「記」天降条で一ヶ所、天照大御神を天照大神とする所があり、機織女→天照大神に転生すると考える。
八坂姫=京都の清水寺(坂上田村麿の菩提寺)のある東山麓に鎮座する八坂神社に祀られる。「記」伊邪那命 は、最後に三人の貴い子を得たと大いに喜んで、首飾りの玉の緒(を)をゆらゆらと揺らして天照大御神に与えて、高天原(たかまのはら)を治めなさい。その 首飾りの玉の名を御倉板挙之(みくらたなげの)神と云う。月読命に夜之食国(夜見国=黄泉国)を治めなさい。建速須佐之男命に海原(うなばら→あまのはら)を治めなさいと 云ったが、須佐之男命は嫌がり、伊邪那伎命が川の中程で禊ぎし、伯耆山(伊邪那美→月読命)と海を繋ぐ河川を河上(多賀の淡海)と河下(青海)に分けて、 与えようとした海原ではなく、天照大御神の高天原を奪おうとする。その乱暴狼藉で、「紀」甚だ無道(あずきなし=小豆為し)と神遣いされると、肥の河上= 坂の上でヤマタノヲロチ(月読命→大気津比賣→大宜津比賣)を退治、大山津見神の女系櫛名田比賣(月読命→月夜見命→継黄泉命=根堅州国)と繋がり、天照 大御神(保食神→天照大神)と対立した。尚、「伎」=耕作民や漁民、手業や技芸等、人の技能の語義とされるが、この場合、男系と女系に分ける。また、 「岐」=山を分ける(八坂)事で、頂=頭(帯→負う)と麓(足)と云うニュアンスを持たせる。
足名椎+須佐之男命=天智天皇と太政大臣の大友皇子と云う関係とも考えられる。但し、この場合、足名椎は須佐之男命の実父ではないので、義父天武(大海人皇子)天皇で、大友皇子=須佐之男命、十市皇女=櫛稲田姫と考えられる。
浄足=天武と持統の子で早世した草壁皇子と天智娘の阿閇皇女(元明天皇=日本根子天津御代豊国成姫)との娘、元正(日本根子高瑞浄足姫)天皇と、同母弟の文武(倭根子豊祖父)天皇。
高御産霊神と天照大神=「記」高御産巣日神と天照大御神とし、他も夫々、天稚彦→天若日子、天鹿児弓→天之真迦古弓、天真鹿児矢→天之波波矢、大己貴命→大穴牟遅命と在り、神名や人名に使われる漢字が違う理由を通説的には呉音だからとされる。
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